今月の特集 018 『逆説の日本史 14 近世爛熟編 文治政治と忠臣蔵の謎』(小学館刊)
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  お待たせしました、シリーズ330万部突破の最新刊です。本巻オビのキャッチは「『忠臣蔵』はデタラメだらけだ!!」。そう、我々日本人は「忠臣蔵」のドラマが好きですが、あれは歴史を改訂したもの。井沢氏は、史実としての赤穂事件と物語としての忠臣蔵の違いを浮き彫りにし、デタラメだらけの物語がいかに史実の理解に洗脳ともいうべき影響を与えているかを考察しています。
  「吉良の『浅野イジメ』が作り話なのは会社員の『接待の常識』からもわかる」「『バカ殿の中のバカ殿』浅野を『名君』にしたのは『赤穂義士崇拝者』の世論誘導だ」など、今回も井沢節炸裂。「忠臣蔵」フリークが読んだらカチンとくるところもあるかもしれませんが、もともと「忠臣蔵」は冷静に見直すと、相当に胡散臭い話。「忠臣蔵錯覚」が招いた数々の矛盾を暴き、その虚構と真実を解き明かしていきます。
  忘れてならないことは、「赤穂事件から忠臣蔵への推移」は日本歴史上の小事件ではなく、日本史全体の問題であり、日本史を外国史と比べるのに格好の材料だということではないでしょうか。「歴史の全体を通観した総合的記述」ができる井沢氏だからこそできる「逆説」が満載です。
  ところで、赤穂四十七士に死者、重傷者が一人もでなかったのは変だと思ったことがないでしょうか? なぜか? その答えは本文90頁にあります。是非、立ち読みせずにレジへ持っていってから、ご一読ください。
 
       

レビュー:
小学館『週刊ポスト』編集部
荻迫英典